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食の歴史その50~フィッシュ&チップスと捕鯨・石鹸・冷蔵庫

17 3月

こんばんは。今日も皆さんの暇つぶしになればと願ってコラムを書いてみました。

今回もビジュアルで分かりやすくなるよう、画像を沢山使っています。

使用している画像はクリックしますと拡大され、より見やすくなるものもあります。

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幕末の1854年にペリー率いる黒船がやってきましたが。その目的は開国によって捕鯨船に水や食糧が補給できるようにする事でした。

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石油の採掘が始まるまで鯨油(げいゆ)はランプの燃料と潤滑油として大量の需要がありました。
理由は温度が下がっても固まらない、粘結度があまり変わらないので引っ張りだこでした。

1800年代のコルセット

1800年代のコルセット

髭や骨は女性のコルセットやペチコートの材料として使われました。

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鯨油は石鹸にも使われ当事の石鹸の包装に鯨の絵が使われている事からもうかがえます。

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しかし、1800年代半ばから値上がりした鯨油に取って代わってココナッツ・オイルが石鹸の材料に使用されていきます。

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石鹸が変わっていくのは材料だけでなく、当事は糸で切り分けていたのが現代の石鹸のように使いやすいサイズへと変わり。

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有名な画家を使って広告にも力を入れた石鹸が洗練されていくと同時に1851年の万国博覧会には727ものメーカーが出品していましたが。石鹸のシェアはナイト、ギブス、ヤードリー。それと新規参入したサンライトとペアーズに半数以上占められました。

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競争に敗れた数百もの石鹸メーカーは石鹸を作るための銅鍋をフライパンに、ココナッツオイルを揚げ油に転用する事によってフィッシュ&チップス屋に転業していきます。

石鹸からフィッシュ&チップスへ転業された頃、この料理にとって重大な発明がされています。

冷凍装置の発明者ジェームズ・ハリスン

冷凍装置の発明者ジェームズ・ハリスン

1856年に実用的な冷凍装置をオーストラリアのジェームズ・ハリスンが発明しました。

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この冷凍装置は1864年以降、蒸気トロール漁船にて使われた結果、氷詰めで輸送されたタラがイギリスで安く出回るようになりました。

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こうして、1860年代からロンドンとランカシャーでタラのフライとポテトのフライが組み合わされたフィッシュ&チップスが売り出されると爆発的に広まり、1870年代にはイギリスの他の地方でも労働者の食べ物つぃて広まっていきました。

”世界で最も有名なフィッシュ&チップスの店”のキャッチフレーズでお馴染みハリー・ラムズデンのトレードマーク

”世界で最も有名なフィッシュ&チップスの店”のキャッチフレーズでお馴染みハリー・ラムズデンのトレードマーク

こうして現代では自分は外国にいった事が無いので、伝聞ですが。イギリスはロンドンのヒースロー空港に降りたつや、空港内に”世界で最も有名なフィッシュ&チップスの店”というキャッチフレーズで知られる、ハリー・ラムズデンが迎えてくれますが。創業者のハリー・ラムズデンは石鹸業者ではないらしく。ブラッドフォードの下町マンチェスター・ロードで店を開き、1900年前後にフィッシュ&チップスがイギリスでポピュラーな庶民の味となっていきます。

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日本でも売られるようになりましたが、ソーセージとポテトを揚げたソーセージ&チップスというのも存在します。

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お腹が空いてきたので、夜食にモルト・ビネガーをたっぷりかけてフィッシュ&チップスを頂こうと思います。

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油っぽいものにビールが欲しい方はパブなどへ足を運んでみてはと思います。

皆さんいい暇つぶしになったでしょうか?

食の歴史その27~アングロサクソン人がタコ、イカを食べない理由~

12 7月

おはようございます。今日も皆さんの暇つぶしになればと願ってコラムを書いてみました。

今回も地図で説明するために画像を一つ入れています。

人間は雑食動物の最たるものとされています。哺乳類全般は言うまでも無く、アリ、ゴキブリから、芋虫や蛆虫まで美味しく味わう人々が世界にはいます。

中には再三起こった飢饉からの経験なのか土を食べる例も報告されています。

中華料理で最高級の食材にツバメの巣、熊の手、猿の脳味噌などがありますし、日本人もウニ、ナマコ、ホヤなどといった食材に舌鼓をうちますので、特に欧米人からは不気味な人たちとうつるに違いありません。

これは物好きではなく、飢えないよう何でも食べて生き残る知恵なのですが、他の哺乳類には無い何でも食べる雑食性とその食欲には驚かされるばかりです。

例えば、20世紀の中国ですと、国民党との戦いから共産党が中国南部の拠点を捨てて北部の延安までの長い逃避行を行った長征がありますが、この逃避行でお偉方までもが餓死寸前となり、ベルトや靴も茹でて食べ、それでも足りず、家畜の糞から未消化の穀物を探して食べたりもしたと言われています。

逆に、殆どの人が日常的に食べているにもかかわらず、特定の食べ物をタブー視する習慣も世界中に見られます。

ヒンズー教の牛、ユダヤ教、イスラム教の豚などが有名ですが。中にはチベット、アメリカ先住民のように魚肉をいっさい口にしない民族も少なからずおります。

モンゴルでも魚はタブーだったようで、若き日のチンギス・ハーンは食うに困って魚や野鼠まで食べたという逸話が残っています。

そして本題ですが、ドイツ、イギリス、北欧などのゲルマン系はタコ、イカを食べる習慣が殆ど無いといいです。

なかでもオクトパスの名を与えられたタコは別名デビルフィッシュと呼ばれるほどの嫌われ者です。

ゲルマン系がタコを食べない理由の一つにキリスト教の原点でもあるユダヤ教の戒律があるとされています。

ユダヤ教では魚類はヒレとウロコが備わったものだけしか食べてはならないとされており。

具体的にはタコ、イカ、カニ、エビ、ウナギ、エイ、貝類、当時は魚に分類されたイルカや鯨などです。

捕鯨反対、イルカ漁反対を唱える欧米人の背景には聖書にある食の戒律が根底にあるのかも知れません。

それはさておき、キリスト教徒の間では『旧約聖書』にある食の戒律が予想以上に評判が悪く、中東と異なる風土や動植物が見られるヨーロッパでは、豊富な食材を禁じようにも説得力はなく、古代のキリスト教徒は何かと言い訳を見つけてはカニ、エビ、貝類を食べ、早々と『旧約聖書』のタブーは無視されました。

ただし、イカとタコについては、そのグロテスクな見かけからの連想もあって、誘惑者、裏切り者、噓吐きといった偏見の目で見られてきました。

特にドイツやイギリスなどでは好色的で執念深く、しかも凶暴な動物というイメージが張り付いていました。

大航海時代以後の1600年代になると、北欧ノルウェー沖合いの北極海周辺に出没する巨大なタコまたはイカの姿をしたクラーケンという化け物が伝説となっています。

クラーケンは天地創造から世界の終わりまで行き続け、全長2.5キロもあるきょだくぃな動物で。

その巨大な触手で船を襲い引きずり込むと言われ、命知らずの船乗りでさえ、その存在に怯えていました。

今では全長10メートルもあるダイオウイカがクラーケンの正体だったのだろうと推測されています。

このようにヨーロッパ北部の海域で実像がゆがめられたのは、タコが主に温帯から亜熱帯の暖かい海に生息するため、ゲルマン系の人たちに馴染みがなく、食べる機会が少なかったのも偏見を促す大きな原因になったのだと推測されています。

いっぽう、キリスト教が伝わる前からイカやタコを食べてきた地中海地方では古くから重要な海の幸でした。

現在でもスペインのパエリア、あとはイカをイカ墨で煮込んだ物になりますと、このスペイン製の缶詰をネット上から買う事も出来ます。

ポルトガルやギリシャなどではフライや炭火焼きにして食卓を彩り、観光客も舌鼓を打っています。

地中海地方の人々は外見より自らの舌を優先させ、カエル、カタツムリ、カキといった一見正体不明のゲテモノも平気で平らげきました。

中でも舌が肥えているので、手当たり次第口に入れるフランス人をイギリス人やドイツ人は徹底して軽蔑している歴史があります。

今でもフランス人の悪口の一つに「フロッギー(カエル野郎)」や「ジョニー・クラポー(ヒキガエルのジョニー)」があるのはこうした理由もあります。

日本ではタコやイカをひょうきんだが知恵があり、人間に対して好意的で縁起の良い動物として描かれ、京都をはじめ各地にある蛸薬師(たこやくし)は、薬師如来が海をタコに乗ってやってきたという伝説を生むほどです。

こうしたゲルマン系も材料を何も教えずにたこ焼きやイカ素麺を食べさせると歯ごたえを楽しんで舌鼓を打ちますので、人間は究極の雑種動物なのだなと再確認されます。

そんなイカやタコは北アフリカのモロッコなどで底引き網漁によって取れたものが日本に輸入されたりしていますが、最近は諸外国に買い負けて前ほど安く手に入らなくなってきたそうなので、これらの値段もいずれ上がるやも知れません。

その日が来るまでに今日はタコの酢味噌和えを頂こうと思います。

コラムは以上で終わりですが、皆さんいい暇つぶしになったでしょうか?