おはよございます。今日も皆さんの暇つぶしになればと願って、コラムを書いて見ました。
地図で説明する箇所があるので、画像を一枚アップロードします。
ハンバーガーはアメリカの国民食であり、世界のファーストフードの王者となっており。
10年ほど前のデータでは、マクドナルドは世界120カ国に進出し、1日あたりの来客者数はのべ4000万人に達するそうです。
ハンバーグステーキを丸型のパンでくるむというアイデア料理の俗称がハンバーガーだが、その起源はドイツ北部の港町ハンブルグの家庭料理をヒントとしてアメリカで改良され、のちにハンブルグの英語なまりであるハンバーガーtご呼ばれたといわれています。
しかし、この説は現在ではほとんど試みられていません。これはれっきとしたアメリカ生まれのアメリカ料理だからです。
例えば日本語に「日本風天ぷら」という呼び方がないように、「ハンバーグステーキ」もドイツ語には見当たらない言葉です。
地元のドイツでは皿に出されたものを「ドイチェス・ビーフシュテーキ」と言い。牛肉のミンチを丸めて平たくしたもので、つなぎなどを混ぜていないためにポロポロした食感だと言われています。
他にはジャガイモをつなぎに使った「フリカデレ」というドイツのひき肉料理もあります。
フランス料理には馬肉のひき肉、たまねぎ、薬味、生卵をまぜたタルタルステーキがありますが、このタルタルステーキが原型ではないか、という説が注目されているそうです。
タルタルとは生肉をミンチ状に刻んで賞味するいわば、牛肉や馬肉のタタキであり、そもそもタルタルとは1200年代にチンギス・ハーンとその子孫によって征服された中央アジアやロシアに移住したモンゴル系の人たちの総称で、一般にはタタールと言われています。
タタールの由来はギリシャ神話に登場する最悪の死後の世界であり、奈落も意味する「タルタロス」から生まれ、ハンガリーやポーランドにまで攻め入ってヨーロッパ連合軍を殲滅させた強さから野蛮で凶暴と恐れられたモンゴル帝国率いるモンゴル系、トルコ系遊牧民が、タタールと呼ばれるようにjなったのだと言われています。
このタタールと呼ばれた遊牧民は中央アジア平原で放牧された羊や馬などの肉質の硬い生肉を細かく刻んで食べていましたが、1200年代末期にこの料理法がドイツに伝わり、素材を羊や馬から牛に変えて定着したのが、タルタルステーキの源流とされています。
はじめのころは、硬いスジ肉を塩や身近な調味料だけで味付けしていたらしいのですが。
そのご、今日のタルタルステーキのように生卵やピクルス、刻みタマネギなどを添えて深みのある味を出すようになりました。
そして数百年経ちましたら、焼いてハンバーグの原型になるものがイギリスとアメリカに伝わります。
イギリスはジェームズ・ヘンリー・ソールズベリー博士が食事改善運動を行い、全ての食材は細かく切ってから食べると健康にいいと提唱し、南北戦争(1861~1865年)に従軍の際、兵士が下痢をしないよう、消化の悪いステーキではなく、脂身を含まない牛肉の赤味を細かく刻んだステーキを考案。この考案者ソールズベリー博士にちなんでイギリスではソールズベリー・ステーキとも言われているそうです。
ちなみに、第2次世界大戦中のアメリカではハンバーグは敵国ドイツの言葉としてソールズベリー・ステーキと言うようにお上からの指示があったそうです。
さて、ハンバーグ、ハンバーガーという名前を考案し、世界的にその名を広めたアメリカはと言いますと。1850年代からドイツ移民がハンブルクからニューヨークまでのアメリカに至る長い船旅の中で硬くなったり、古くなった燻製肉を細かく刻んで調理していた料理法を伝えたとされ、1884年2月16日のボストン・ジャーナルという新聞に
「ニワトリを1羽捕まえて煮る。冷めたらハンバーグステーキの肉と同じように刻む」
という調理記事が紹介され、これが活字で記録された最も古いハンバーグの記録とされています。
これからアメリカの北部ウィスコンシン州セイモアという小さな田舎町は、ハンバーガー発祥の地として名乗りを上げ、ハンバーガー博物館まで設置していたりするなど、アメリカ各地でハンバーガー発祥の地と名乗りを上げている場所がいくつかあります。
下にハンバーガーとゆかりのある場所を指し示す地図を出します。
上の地図のようにアメリカ各地に広まったハンバーグ、ハンバーガーですが。1900年代初頭になっても評判の悪いものでした。
歴史学者デイヴィット・ジェラード・ホーガンによれば、ハンバーガーは汚くて、口にするのは危険な貧乏人の食べ物と思われていました。
レストランで出される事はほとんどなく、工場のそばにくるランチのワゴン、サーカス、カーニバル、博覧会などで売られる代物でした。
これは今の日本人の感覚で言えば、噂話ですが、地元で夏祭りになると路上の屋台に出す焼きそば、たこ焼き、お好み焼きなどを買ってたべようとしたら親に「屋台のは路上に水道なんてなく、汚い水で作っているからやめなさい」と言われ、食べられなかった思い出がありますが。博覧会で売られたハンバーガーも似た様な認識だったかも知れません。
アメリカに話を戻しますと昔、ひき肉は合成保存料がたっぷり添加された腐った古い肉から出来ていると信じられていました。ですから、
「ハンバーガーを食べるのは、ゴミ箱から取り出した肉を食べるのと同じくらい危険だ」
と、昔のアメリカの食品評論家は論じていました。
それからしばらくして、1920年代に、アメリカ初のハンバーガー・チェーンであるホワイト・キャッスルは、ハンバーガーの悪いイメージを払拭するために、グリルを客が見れるようにした上で1日に2回新鮮なひき肉が搬入されている事を訴え、チェーン店の名前も清潔なイメージを受け付けられるようにとの思いから命名し、さらには、ミネソタ大学の実験のスポンサーとなり、医学生がホワイトキャッスルのハンバーガーと水だけで13週間生きられる事を証明しました。
こうした努力と成功がハンバーガーの偏見を取り除きましたが、客層はほとんどが都会の男性労働者で、女性や子供も一緒に食べる国民的な食べ物になるには、30年ほど経った1950年代にマクドナルドが家族向けチェーン店として売り出すのを待つしかありませんでした。
こうして現在、スーパーに行きますと安く真空パックのハンバーグが置いてあり。街へ出るとMをかたどった金色アーチの看板をかかげたマクドナルドがあちらこちらにあるようになりました。
最後に一つ蛇足しますと、日本のハンバーグは日本独自の調理法を取っていて。
日本の一般的レシピでは、牛、豚、7対3のミンチと、みじん切りして炒めた玉ネギを加え、塩、胡椒、ナツメグ、全卵、パン粉混ぜを合わせ、表面をしっかり焼いて肉汁を閉じ込め、オーブンで中まで火を通す。仕上げにブラウンソース、またはデミグラスソースをかける。
といった感じで、アメリカやイギリスより手の込んだ代物なのだそうです。
今日のコラムはここで終わりですが、皆さん楽しんで頂けたでしょうか?