おはようございます。今日も皆さんの暇つぶしになるようコラムを書いて見ました。
今回もビジュアルで分かりやすくなるよう画像や動画を色々使っていきます。
古代ローマ人は夜明けとともに起きて取る朝食をイェンタークルムと呼び。この朝食を祭壇に捧げて祈ってから食べていました。
朝食の内容は庶民ですと丸くて平らなパンと塩味のニンニク、そして水という内容でした。
こういった質素な朝食でも食べられるだけありがたいという庶民も多数おりました。
しかし、後で詳しく説明する「パトローヌス」から朝食をもらいますと、ローマのミルクの大部分がチーズの加工に使われ、ピンからキリまであり大量に出回っていたものも朝食に加わります。
同じチーズでも普通に加工されたチーズ、燻製にされたチーズ、チーズにドライフルーツとワインを入れて加熱した「イポトゥリマ」、すりおろしたニンニクとスパイスを混ぜた「モリトゥム」などがありました。
他にも果物とミルクかワインも加わり、腐らないよう硬くなっているパンを水でなければミルク、ワインに浸して食べたりしました。
朝食の主食であるパンも蜂蜜入りロールパン、平らなケーキ「プラケンタ」、お供え菓子「リープム」などがありました。
こういった多少手の込んだパンやチーズ、ミルク、ワインなどを当事庶民が島を意味する「インスラ」という水道は通っておらず、ろくな台所も無いに等しい7階建て以上ある高層アパートに住んでいた事情もあって、バールと呼ばれる軽食屋か屋台で買って済ませたりもしました。
このバールではイチジクを固めたもの、ゆで卵、塩漬け魚、ローストチキンも注文でき、飲み物はホットワイン、ホットワインの中でも人気があったのは蜂蜜やスパイスを加えた「ピペラーツゥム」でした。
これだけ豊富にあれば満腹になりますが、朝食をガツガツ食べるのは育ちが悪いとされ。朝食は貴族も庶民も軽く済ませ。バールや屋台などでガツガツ食べられるメニューは昼か夕方に注文しました。
屋台や店で使うお金が無い庶民にはタダで朝食にありつく方法もありました。
それは個人的な保護者を意味し、パトロンの語源でもある「パトローヌス」という貴族、金持ちへ挨拶に行く事でした。
この面倒見のいい親方か先輩的な存在の貴族、金持ちに保護されている庶民を「クリエンテス」と言いますが。保護の対象になった庶民には「スポルトゥラ」というカゴに入った食べ物が与えられることがあります。
もらった朝食は食べてもいいし、売ったり交換してもお咎め無しでした。
「パトローヌス」は朝食だけでなく就職の斡旋、結婚相手探し、借金の保証人などの世話もします。
そうやって世話してもらった庶民たちはこの「パトローヌス」が選挙で立候補したあかつきには投票するだけでなく、熱心に選挙活動したりして日ごろの恩返しをしたりします。
小さな国の国家予算レベルに等しい借金をしているので、転勤しようとしたら借金取りに囲まれて外へ出られない事もあったジュリアス・シーザーや初代ローマ皇帝とされるアウグストスも軍隊を使った実力行使だけでなく、「パトローヌス」として庶民たちを世話した結果できた沢山の支持者の票が背景にあったので君臨できたという話もあります。
さて、様々な手段で得た朝食を食べた後は歯磨きをします。
歯磨き粉の原料は人の尿を原料とした歯磨き粉でした。
尿素は現在でも歯の美白に使われているので意外と合理的なのだそうですが。何故かポルトガル人の尿が特に歯によいと信じられており。時間とお金と労力をかけてローマからはるか遠くポルトガルまで出かけて調達していました。
尿を原料とした歯磨きをしてもローマ庶民が朝から食べるニンニクの匂いが気になるのか、虫歯予防の薬草と匂い消しの効果があった香料のはいった飴を舐めていました。
砂糖も蜂蜜も今より貴重品で博物学者プリニウスが書きのこした文書には「鉛の鍋で腐敗したワインかブドウ汁を煮詰めるとサパが得られる」とあり。サパという鉛を含んで明らかに体に悪い人工甘味料で代用するほど果物以外の甘い物が乏しく。歯を磨いたあと、現代人には想像のつかない不味い飴を舐めていたようでした。
以上でまずは古代ローマ人の朝食を紹介してみました。次は古代ローマの昼食、夕食を紹介してみたいと思います。
皆さんいい暇つぶしになったでしょうか?