食の歴史その28~江戸時代のおかず番付その1~

14 7月

おはようございます。今日も皆さんの暇つぶしになればと願って、コラムを書いて見ました。

今回もはめこんだ画像をもとにコラムを書いていきます。

まずは幕末に書かれたおかず番付の画像を一つ。

ざっと見て何が何だか分からないでしょうが、参考文献「江戸のまかない」にて現代語に訳した上に補足説明がついたものがありますので、そこから抜粋しますと。

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まず、中央の行司の下に沢庵、梅干を中心にぬかづけ、なすび漬け、茎菜漬けと並び。

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その下の世話役にでんぶ、ひしお、ざぜん豆、味噌漬け、唐辛子。

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一番下の段には味噌、塩、醤油の三大調味料となっています。

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その右には年寄の欄があり、かつおぶし、塩辛、佃煮、ごま塩となっています。

これらは現在でも日本料理の基本となる調味料や食材なので、幕末も今も大して変わらないものとなっています。

そして右側が野菜や大豆を使ったメニューの番付で、左側が魚など肉をつかったメニューの番付となります。

この番付は大関までしかありませんが、江戸時代は大関が一番位が高く、横綱は名誉職で番付外でした。

では、右の野菜メニューの番付から解説を。

ただし、全部は列挙しきれないので、それぞれ一部からの抜粋になります。

八杯豆腐

大関に「八はいどうふ」とありますが、これは水6杯と酒1杯を入れて、煮立ったら醤油1杯を入れて煮立てる、そこに絹ごし豆腐を入れて、豆腐がグラグラ動き出したところを、おたまですくいだし、これに大根おろしをかけて食べるというメニューです。

自分もこのメニューを作りますが、感想としては安くて簡単であっさりしていて美味しいメニューです。

大根おろしがなくても、この一品で酒のつまみにもなるだろうと思っています。

昆布と油揚げの煮物

昆布と油揚げの煮物

関脇は「昆布油揚げ」昆布と油揚げの煮物です。小結はきんぴらごぼう、これはコンビニにもありますので、説明する必要もないでしょう。

前頭筆頭は煮豆で、食物繊維の王様なのだそうです。

前頭二枚目は焼き豆腐を具にしたおすまし。

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前頭三枚目はひじきの白和え、ひじきの煮物に砕いた豆腐を和えたもので、海草と豆腐の取り合わせという長寿食のイメージがあります。

四枚目は切り干し大根を薄味で煮た素朴なおかず。

五枚目はサトイモの仲間、「唐の芋」の茎を使った芋がらと油揚げの煮物。

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六枚目は油揚げに醤油をつけてあぶるだけ、刻みネギをつけると酒の肴にもうってつけだったりします。

七枚目は小松菜のおひたし。

ここまでが四季を問わずに食べられるおかずで、次は四季折々のおかずの番付を。

春の部も一部抜粋しますと、油で炒めた豆腐、笹がきゴボウ、麻の実を入れた「けんちん」というすまし汁。

わかめに酢味噌をかけた「わかめのぬた」「ニンジンの白和え」

油揚げ、大根、シイタケを葛(くず)でとろみをつけた「のっぺい(能平汁)」

レンコンを酢味噌とサンショウの若芽で和えた「蓮の木の芽和え」。

「ほうれんそうのおひたし」「海苔とウドの吸い物」。

わらびとがんもどきを煮付けた「わらびがんもどき」。

「たんぽぽの味噌和え」たんぽぽはサラダにしても美味しかったりします。

夏の部の抜粋は「地元ナスうま煮」「ささげごぼうの和え物」「いんげんごまひたし」「そら豆煮付」。

他にも「茄子の刺身」ゴマ油で軽く揚げた「茄子の揚げだし」。「かぼちゃゴマ汁」「フキの煮付」。

花が落ちて10日ほどの若いへちまの実を食べる「へちま煮浸し」。

白瓜(しろうり)をらせん状に細長く切って塩につけて干した「かみなり漬け」

最後にとりあげるのは茄子をマツタケの形に切って炒め煮にした「まつもどき」などのように多少凝った料理もあります。

秋の部の抜粋は「若菜汁」「サトイモころがし」「ふろふき大根」「とろろ汁」。

豆腐にとろろをかけた「山かけ豆腐」。「焼きしょうが」。

水気を切ってくずした豆腐に味をつけて炒る「炒り(いり)豆腐」。「あんかけ豆腐」。

「長いもおでん」「山芋のぐつぐつ煮」。

冬の部の抜粋は「湯豆腐」「こんにゃくおでん」「納豆汁」「かぶ菜汁」「輪切りゴボウ」「こんにゃく白和え」「ねぎ南蛮」「こんにゃく刺身」「ごま味噌」。

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大根、こんにゃく、コボウ、人参、豆腐などを入れた味噌汁で、旧暦の12月8日に、その年の農作業の終わりである「お事終い(おことじまい)」を祝って食べた「お事汁」。

他にも「うど白和え」。鍋に材料を入れて焦げ付かないように水分を飛ばす「こんにゃく炒りつけ」。

「切干し大根白和え」。

などなど、今でも通用しそうなメニューが沢山あります。

明日は江戸時代の魚を使ったメニューの番付を書いて見ます。

皆さんいい暇つぶしになったでしょうか?暇つぶしだけでなく、簡単なメニューもありますので、今日の献立の参考にもなれば幸いです。

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